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SaaS型ソフトウェアとは導入メリットやビジネスモデルの特徴

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SaaS型ソフトウェアとは

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SaaS型ソフトウェアの基本
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クラウド型サービス

インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス形態

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サブスクリプション課金

利用期間に応じた料金を支払う形式が一般的

🔄

常に最新状態

提供元が管理・更新するため最新機能を利用可能

 

SaaS型ソフトウェアの基本概念と定義

SaaS型ソフトウェアとは「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」の略称で、クラウド上でソフトウェアやアプリケーションを提供するサービス形態です。従来のパッケージソフトウェアとは異なり、ユーザーはソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネットを通じて利用できます。

SaaSの最大の特徴は、ソフトウェアの所有ではなく「利用」に重点を置いている点です。ユーザーはソフトウェアを購入するのではなく、必要な期間だけサービスとして利用し、その期間に応じた料金を支払います。これにより、初期投資を抑えつつ、必要な機能だけを必要な時に利用することが可能になります。

読み方は一般的に「サース」と発音されますが、「サーズ」と呼ばれることもあります。いずれにせよ、現代のビジネスシーンにおいて欠かせないサービス形態として急速に普及しています。

SaaS型ソフトウェアと従来型ソフトウェアの違い

SaaS型ソフトウェアと従来型のパッケージソフトウェアには、いくつかの明確な違いがあります。

まず、提供方法の違いが挙げられます。従来型ソフトウェアはパッケージとして販売され、ユーザーはそれを購入してから自社のサーバーやPC端末にインストールする必要がありました。一方、SaaS型ソフトウェアはクラウド上で提供され、ウェブブラウザを通じてアクセスするだけで利用できます。

次に、料金体系の違いがあります。従来型ソフトウェアは一般的に買い切り型で、ソフトウェアのライセンスを購入する形式でした。対してSaaS型ソフトウェアは、サブスクリプション型(定額制)の料金体系を採用しており、月額や年額で利用料を支払います。

さらに、アップデートの方法も異なります。従来型ソフトウェアでは、新バージョンがリリースされた際に再度購入するか、アップデート料金を支払う必要がありました。SaaS型ソフトウェアでは、提供元が常に最新の状態に保ち、ユーザーは追加料金なしで最新機能を利用できます。

以下の表で主な違いをまとめました。

比較項目 SaaS型ソフトウェア 従来型ソフトウェア
提供方法 クラウド上でブラウザから利用 パッケージ販売・インストールが必要
料金体系 サブスクリプション型(月額・年額) 買い切り型(ライセンス購入)
初期投資 少額 高額
アップデート 自動的に最新版に更新 別途購入または更新料が必要
管理負担 提供元が管理 ユーザー側で管理が必要
アクセス どこからでもアクセス可能 インストールした端末からのみ

SaaS型ソフトウェアの市場動向と成長予測

SaaS型ソフトウェア市場は急速に拡大しており、今後も継続的な成長が予測されています。特に日本市場においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、多くの企業がクラウドサービスへの移行を進めています。

市場調査によると、日本のSaaS市場は数年内に「一兆円規模」に成長すると予測されています。コロナ禍を経て、リモートワークの普及やデジタル化の加速により、SaaS型ソフトウェアの需要は一層高まっています。

特に注目すべき点として、近年ではAIと連携したSaaSサービスが登場しています。自己学習型AIが顧客ニーズをデータに基づいて理解し、パーソナライズされた提案を行うことができるようになっています。また、データアラート機能も登場し、潜在的な問題を予測して通知するなど、より高度な機能が実装されつつあります。

業種別に見ると、従来はIT業界や大企業を中心に導入が進んでいましたが、現在では中小企業や様々な業種へと広がりを見せています。特に、会計・人事・営業支援などのバックオフィス業務向けSaaSの導入が進んでおり、業務効率化とコスト削減を同時に実現できる点が評価されています。

経済産業省「クラウドサービス市場の動向調査」の詳細データ

SaaS型ソフトウェアの代表的なサービス例

現在、様々な業務領域でSaaS型ソフトウェアが提供されています。ここでは、代表的なサービスをカテゴリ別にご紹介します。

コミュニケーション・コラボレーションツール

  • Slack:ビジネスチャットツールの代表格。チーム内のコミュニケーションを効率化し、様々な外部サービスとの連携も可能。
  • Microsoft Teams:オンライン会議やチャット、ファイル共有などの機能を統合したプラットフォーム。Microsoft 365との連携が強み。
  • Zoom:ビデオ会議ツールとして急速に普及。使いやすいインターフェースと安定した接続性が特徴。
  • Chatwork:日本発のビジネスチャットツール。日本語環境に最適化された機能が充実。

業務効率化ツール

  • Google Workspace:ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのオフィスツールをクラウド上で提供。リアルタイム共同編集が可能。
  • Figma:デザインツールとして人気。複数人での同時編集やデザインシステムの管理が容易。
  • Notion:ノート、タスク管理、データベースなどの機能を統合したオールインワンツール。柔軟なカスタマイズが可能。

バックオフィス向けツール

  • マネーフォワード クラウド:会計、経費精算、請求書管理などの機能を提供する国産SaaS。
  • 弥生オンライン:老舗会計ソフトのクラウド版。使い慣れた操作感をクラウドで実現。
  • Sansan:名刺管理サービス。OCR技術を活用した名刺データのデジタル化と共有が可能。
  • Bill One:インボイス管理に特化したサービス。請求書の受け取りから保管までをデジタル化。

営業・マーケティング向けツール

  • Salesforce:CRM(顧客関係管理)の世界的リーダー。営業プロセスの管理や顧客データの一元管理が可能。
  • HubSpot:インバウンドマーケティングに強みを持つCRMプラットフォーム。マーケティング、営業、カスタマーサービスを統合。
  • Marketo:リード管理やメール配信などのマーケティングオートメーション機能を提供。

これらのサービスに共通する特徴は、リアルタイムでの編集・共有・保存が可能な点です。また、APIを通じて他のサービスとの連携も容易であり、業務フローの最適化に貢献しています。

SaaS型ソフトウェアとPaaS・IaaSの関係性

クラウドサービスを理解する上で、SaaS(Software as a Service)だけでなく、PaaS(Platform as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)についても知っておくことが重要です。これらは「クラウドサービスの階層モデル」として理解されています。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは「サービスとしてのインフラストラクチャ」を意味し、クラウド上で仮想サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラリソースを提供するサービスです。ユーザーは物理的なハードウェアを購入・設置する必要がなく、必要に応じてリソースを調達できます。代表的なサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあります。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは「サービスとしてのプラットフォーム」を意味し、アプリケーション開発・実行環境をクラウド上で提供するサービスです。開発者はインフラの管理を気にすることなく、アプリケーション開発に集中できます。代表的なサービスとしては、Google App Engine、Heroku、Microsoft Azure App Serviceなどがあります。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは「サービスとしてのソフトウェア」を意味し、完成したアプリケーションをクラウド上で提供するサービスです。ユーザーはソフトウェアのインストールや管理を行う必要がなく、ブラウザを通じてすぐに利用できます。

これら3つのサービスモデルの関係性は、以下のように階層構造になっています。

  1. 最下層:IaaS(インフラ基盤)
  2. 中間層:PaaS(開発・実行環境)
  3. 最上層:SaaS(アプリケーション)

つまり、SaaSはPaaSやIaaSの上に構築されており、SaaSプロバイダーは自社のサービスを運用するためにPaaSやIaaSを利用していることが多いのです。

企業がどのサービスモデルを選択するかは、自社の技術力やカスタマイズの必要性、コスト、セキュリティ要件などによって異なります。例えば、独自のアプリケーションを開発したい企業はPaaSを、既存のソリューションをすぐに利用したい企業はSaaSを選択するケースが多いでしょう。

SaaS型ソフトウェア導入の意外なメリットと隠れたリスク

SaaS型ソフトウェアの導入には、一般的に知られているメリットだけでなく、意外なメリットや見落としがちなリスクも存在します。ここでは、あまり語られない側面に焦点を当てます。

意外なメリット

  1. 環境問題への貢献SaaS型ソフトウェアの利用は、実は環境保全にも貢献しています。複数の企業が同じサーバーリソースを共有することで、全体的なエネルギー消費を削減できます。また、物理的なソフトウェアパッケージの製造・配送が不要になるため、CO2排出量の削減にもつながります。
  2. 災害対策としての効果クラウド上にデータを保存することで、自然災害などによる物理的なオフィスの被害からデータを守ることができます。東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)の観点からSaaSの導入を進める企業が増加しました。
  3. 従業員満足度の向上最新のツールを常に利用できることや、場所を選ばず作業できる環境は、従業員の満足度向上につながります。特に若い世代の従業員は、最新技術を活用できる職場環境を重視する傾向があります。
  4. イノベーションの促進SaaS導入により定型業務が効率化されると、従業員はより創造的な業務に時間を割くことができます。これが社内イノベーションの促進につながるケースも少なくありません。

隠れたリスク

  1. サブスクリプション管理の複雑化多数のSaaSを導入すると、契約管理が複雑になり、使われていないサービスへの支払いが続くという「SaaS無駄遣い」が発生することがあります。実際、企業の30%以上のSaaSライセンスが未使用または過剰という調査結果もあります。
  2. ベンダーロックイン特定のSaaSに依存しすぎると、将来的に別のサービスへの移行が困難になる「ベンダーロックイン」状態に陥る可能性があります。データの互換性やエクスポート方法を事前に確認しておくことが重要です。
  3. セキュリティ責任の誤解SaaSプロバイダーがセキュリティを担保するという誤解がありますが、実際には「責任共有モデル」が適用されます。つまり、アクセス管理やデータの取り扱いなど、ユーザー側にも責任があることを理解しておく必要があります。
  4. インターネット依存のリスクSaaSはインターネット接続に依存するため、接続障害が発生した場合、業務が完全に停止するリスクがあります。特に重要な業務では、オフライン機能を持つサービスを選択するか、バックアッププランを用意しておくことが望ましいでしょう。
  5. 法規制への対応データの保存場所(国・地域)によっては、GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの法規制に抵触する可能性があります。特に個人情報を扱う場合は、データの保存場所や取り扱いについて確認が必要です。

IPA「クラウドサービス安全利用の手引き」

これらのメリットとリスクを理解した上で、自社に最適なSaaS導入戦略を検討することが重要です。特に複数のSaaSを導入する場合は、全体を俯瞰して管理する体制を整えることをお勧めします。

SaaS型ソフトウェアの選定ポイントと導入手順

SaaS型ソフトウェアを導入する際には、自社のニーズに合ったサービスを選定し、適切な手順で導入することが成功の鍵となります。ここでは、選定のポイント