日本企業が開発したAI
最近、日本の大手企業や大学発のスタートアップが開発した国産の生成AIが注目を集めています。主な国産AIは以下の通りです。
日本語処理能力に重点を置き、特定分野に特化することでコストを抑えたAI。2024年3月から企業向けに提供開始。
30年に渡るAI研究の蓄積を活かし、ものづくりや研究開発など幅広い分野で活用されているAI。
画像認識や自然言語処理など、NECの強みを活かしたAIプラットフォーム。
日立グループの知見を結集し、製造業や金融業など様々な業界で導入が進むAI。
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将棋AIで知られるHEROZが開発した汎用型AI。金融機関や製造業などで活用。
国内最大規模の700億パラメータを誇る日本語特化の生成AIを開発。
また、政府も国産の生成AI開発を後押しするため、基盤モデル開発の支援策を打ち出しています。マイクロソフトやGoogleといった海外大手も、国内企業との連携を模索しているようです。
日本の生成AI市場は大きな可能性を秘めており、日本語への特化や各社の強みを活かした差別化戦略で、海外勢に対抗していく動きが活発化しています。
日本企業へのAI導入
日本のAI導入はほとんどの産業で遅れています。
AIアクティブ・プレイヤーの割合は39%で主要国中最下位となっています。
総務省|令和元年版 情報通信白書|IoT・AIの導入状況と今後の意向(2018)
国内では大企業や製造業がAI導入を牽引。大企業のAI導入率は16.5%に対し、中小企業は5.6%にとどまっています。
AI導入により業務効率化や生産性向上、労働力不足の解消などのメリットが期待できます。
具体的にどんな企業がAIを導入しているのでしょうか?
企業のAI導入事例
東京エレクトロンは、プラズマ原子層堆積法(PE-ALD)によるNanosheet構造への均一な成膜において、AIによる機械学習を活用しています。従来の実験データを集約・分析し、プロセスの最適化をAIで行うことで、パターンダメージを抑えつつ、短時間で高いカバレッジの成膜プロセスを確立。AIの活用により、開発に使用するウェーハ量やエネルギーを最小化するとともに、エンジニアがより付加価値の高い業務に取り組むことが可能になっています。機械学習とエンジニアによるプロセス探索の比較では、AIの方が効率的に最適条件を見出せることが示されています。
「リテール向けAI解析サービス Powered by STAION」で、以下の機能を提供しています。
- 店舗の棚割り・陳列の最適化支援
- 効率的な商品開発や広告プロモーションの支援
- 来店客の行動データ(来店者数、滞在時間、購買行動など)の収集・解析
- デジタルサイネージの視聴率分析と最適配信の支援
- 顧客の反応や興味に基づく適切なメッセージ・プロモーション表示による購買意欲向上
このサービスを活用し、神戸物産は次世代型スーパーの実験店舗をオープン。ローコストオペレーションと顧客満足度向上を目指しています。
メタリアルは、AIを活用した高精度な翻訳サービスを提供しています。
- AI自動翻訳: プロ翻訳者レベルの高精度AIによる自動翻訳。テキスト、PDF、音声、チャットなど様々な形式に対応。
- メタバース翻訳: メタバース空間「どこでもドア」でAI翻訳を活用し、言語の壁を越えたコミュニケーションを実現。
同時に、人手を使った翻訳サービスも提供しています。
メタリアルは、AIと人手を組み合わせた多様な翻訳サービスを提供し、グローバル化を支援しています。
AI inside: AI-OCRや自然言語処理技術を活用したAIソリューション開発
AI inside社が提供するAI-OCRサービス「DX Suite」に生成AIを搭載しました。
- 生成AIを実装し、あらゆる書類の読み取りが可能になった
- AI-OCRに続く後続業務のデータ処理も自動化できるようになった
- ユーザー専用環境で運用を最適化できる機能を追加
- アーキテクチャを一新し、新機能を柔軟に追加できるようにした
- これらの機能拡張により、約2兆円規模の業務効率化を推進する
ユーザーローカル: Web解析、マーケティング分析等にAIを活用
ユーザーローカルは、ビッグデータと人工知能(AI)を活用したさまざまなツールを提供しています。
- サポートチャットボット: AIがサポート業務を自動化
- 次世代型コメントシステム: 60億件のデータから学習したAIが、Webメディアのコメント欄を快適に運営サポート
- User Insight: 国内700社が利用する解析ツールで、Webサイトの行動分析が可能
- Social Insight: 数百億件のSNSデータを解析し、SNSマーケティングを強化
- 個人情報匿名加工AI: 電子文書内の個人情報をAIが自動で匿名化(マスキング)
業界別のAI活用事例
小売業
需要予測: 販売データや天気、イベント情報等からAIが需要を予測
在庫最適化: AIが適切な在庫量を算出し、欠品や在庫の無駄を削減
製造業:
外観検査: AIによる画像認識で製品の傷や異常を自動検出
予知保全: 設備のセンサーデータをAIが分析し、故障を事前に予測
金融業
与信審査: AIが申込者の属性情報や取引履歴等から与信スコアを算出
不正検知: 取引パターンの変化をAIが検知し、不正利用を防止
日本企業は、AIによる業務効率化や新たな価値創出を目指し、徐々にAIの導入を進めています。一方で中小企業を中心に導入が遅れており、AIの活用をさらに促進していくことが求められています。
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